大ガラス VS シュシュラン
いよいよ金井・年長さんのキャンプが近づいてきた。毎年毎年、数週間にわたって「キャンプの夜」をクライマックスに想定したストーリーが展開される。
今年のストーリーは6月18日、不吉な黒い羽と手紙を大きな桜の木の枝に発見する事件から幕開けた。普段と変わらない様子で過ごす園児達が見つけたその手紙には
「俺様は大ガラスだ お前達のおたまじゃくしやきゅうりはうちの子分がいただいたぜ!! これからもお前達をうんと困らせてやる 大ガラスより」
と、鳥語で書いてあって、これを職員室が所蔵している「鳥語辞典」で解読。解読し終わったら、またしても事件。この黒い紙を手にしていた岡田先生が「手がしびれてきた!!!」と叫び、袖をまくると黒い点点が!!! ひぃーっ、コワっ!
羽と一緒に手紙を桜の木から取ったオトコノコも血相変えて岡田先生と一緒に腕を洗ったらしい。ま、洗うと取れるんですけどね。
そしてこの事件の日以降、金井幼稚園の園内はCDやらなんやら、キラキラ光る「カラス撃退」グッズであふれる。なんかの時に幼稚園に行ったら、クラスの入口はもちろん、畑にもヤギ小屋にも色々ぶら下がっていた。
子供たちが育てているきゅうりやえんどう豆?の収穫物がカラスに荒らされて「もーっ(怒)!!」という日常にしっかりストーリーが結びついていて、先生達、よく考えるなぁ、と感心する。
そして2度目の事件は、6月23日。園庭で遊びまわっていた子供たちがフェンスの外に生えている木に見つけたのは白い羽と薄いピンクの手紙。またまた鳥語辞典が登場して解読したところによると・・・
私は天使の鳥です。大ガラスが悪いことをして困っているようですね よいことを教えてあげましょう 大ガラスは光るものと、私の特別な羽を嫌がります 大ガラスはヤギを一飲みにするくらい大きな口です 気をつけてね 大ガラスに負けないで!! 天使の鳥より
この日ちょうどハナは高熱で1週間幼稚園を休んでいたので、発見の興奮をみんなと共有できなかった。残念・・・。
そしてハナが復帰した月曜日、年長さん戦慄の大事件!
ヤギ小屋から畑に向かう地面に直径50cmはある大きな鳥の足跡が続いているのを子供達が発見。足跡の深さは4cmくらいもある。私も実物を見物に行った。なかなかリアルで怖ーい。よく見るとヤギ小屋にも、前の日までなかった怪しげな爪あとが。凝るねぇ・・・。
このあと一週間おきに手紙が発見される。発見されるたびに子供達は力をあわせて取りにくい場所から手紙を回収して、全員でどどっとホールに集結して、鳥語辞典を使い先生に解読してもらう。次の手紙は
「私は天使の鳥、シュシュランです 大ガラスがますます悪いことをしているようですね みんなのことがとても心配です 今日は特別にカラス達が嫌がる私の羽を分けてあげましょう」「そしておまじないの言葉を教えましょう シュシュランシュシュランポプリララーン」
そしてこの後、子供達はホールのテラスで籠にいっぱい入った、きれいな白い羽を発見。
するとまた大ガラスから、
「俺は大ガラスだ 俺の嫌いなおまじないの言葉をシュシュランから聞いたな! 天使の羽も光るものも大嫌いだ!! 本当に怒ったぞ!! 今度こそお前達のヤギをいただくからな・・・ふふふ・・・」
そして子供達はおまじないの言葉を大合唱しながら大ガラスをやっつける踊りを日々踊っているらしい。
大ガラスの最初の手紙以降、家ではあまり大ガラスとシュシュランの話をしないハナ。1人に1個ずつ配られた白い羽で個人のお守りも作ったらしいのだけれど、家ではそんな話も出ない。園児の中には本気で結構ビビっている子もいるらしく、ハナの小さな胸の中で一連の事件はどう感じられているのかな・・・。
あと少しでキャンプ本番。何が起こるのかはお母さんたちにもわからない〜。