『見方が変われば子育てが変わる』

コーチング理論で子育てにかかわるコミュニケーションテクニックを全国で講義している山崎洋実さん。彼女の講演会を幼稚園で母の会が開いてくれたので参加してきた。
39歳で小学校3年生の男の子のママでもある彼女の講演は面白おかしくて楽しかった。…というのが口コミで全国に広がって、西から東から大忙しらしい。講演は参加型で、グループを作ってその中で実際に体感しながら進めていくのも前回の三砂先生の講演とはまた違った面白さ。


■40秒で「名前」「どうしてこの講演に参加したか」「私って○○な人です」「お金の制約もなく好きに使える24時間があったらなにをしたい?」というのを話すという課題から始まって、…私は4番目まで言えず。「お母さんは話がくどい」です。ホントそうです。特に怒るとき…。
そして「24時間あったら」はお母さんの「現実的」さが出てしまい、みんな苦笑。買い物、エステ、映画、旅行…夢がない!
子育て、家事を理由に挙げて自分のために使う時間をおろそかにしてはいけないと。やれない、のではなく、やらないんだよね。みんな。でも山崎さんは「宿題と思って、たまに自分のしたいことをしてください」と言っていた。そこで得る満足感は結果的に家事や子供との時間を豊かにするのかな、と解釈。でも私も含めて、この近所で付き合っているママたちはその辺をお互いに手を貸しあいながら上手にやりたいことをやっている気がする。だから家事もきちんとこなす人ばかり。…だよね? ね?


■『言葉』は伝えたい事柄の7−8%しか表現しないということ。相手が体感するのはこちらの態度。視線だったり、口調だったり。笑えた山崎さんの例えはこんなの。「怒んないから言ってみなさい!!!!」こども的には「って言うかママ、もう怒ってるし」。あるある、こういうの。
これは『聞く態度』でもしかり。「ママ、ママ、聞いて!」という子供の話し、“ダンナにされたらカチンとくる聞き方”で聞いてませんか? たとえ本当に聞いていたとしても、子供は聞いてくれてない、と感じます。…身につまされる。


■もうひとつ母親的な受け答えで例にされたのがこれ。
「ママ、これ見て〜。かわいい〜」という子供の一言に「またそういうの?」「そういうのいっぱい持ってるよね」「この間もそんなの欲しいって言って全然放ったらかしじゃん」「妹と取り合いになるし」「棚に戻してらっしゃい」と母から5倍返し。これはファミレスで席を待っている場面で山崎さんのお友達と娘さんに間に実際にあったやり取りとのことだけど、こういうふうに母親が“次”を“思い込んで”現実的にたたみかけていくのはよくあること。子供は「欲しい」なんて一言も言ってないのに。子供が母親とシェアしたかった「かわいいよね」という感動バロメータは一気に急降下↓。これもダンナにされたらカチーンとくること間違いなし。でも自分でもしてるんだな…。
子供が「感情」嬉しいとか、悲しいとか、楽しかった、とか、すごかった!とかいったことを口にしたときは是非「オウム返し」のテクニックを使ってみて、と。「ホントだね、かわいいね」の一言で子供のペースを保てるし、こちらも一呼吸つけると。ほーほーほー。
くれぐれも「今日の夕飯何ー?」という子供に「今日の夕飯、なーにーかーな〜?」と返さないように、とのことで(笑)。使う場面は「感情」にまつわるとき。ですよねー。


■物事の本質はひとつ。それをどのように捉えるかで向かう方向が変わってくると。
「何をするのものんびり」は、プラスに捉えれば、自分のペースをキープできる、と表現できるし、マイナスに捉えればグズグズ、のろま。自分との距離が近いほど=身内であるほど捉え方はマイナスに傾きがちだそう。実際そうかも。
でも。本質が変わらないなら、物事なんでもプラスに捉えたほうがいい。「それはあなたの才能だ」と言って聞かせて育てるほうがいい、と。ふーむ…。それはその子自身が認める自分らしさになっていくそうですよ。


■怒りの感情についても言及があった。感情的に子供を怒ったこと、ありませんか?と。いやー、あるある…。
洗い立てのカーペットにこぼされたオレンジジュース。こぼしたのがブラピだったら怒らないけど、子供だったらドたまに来る、この違い。怒りのバロメーターは「起こった事象」に左右するのではなく、自分の中の感情に左右するものなのだ。
怒りは降って湧くのではなく、その下に期待(を裏切られること)や悲しみがあってそれが表面化するものということを自分で知っておくことが大事と。「苦労してきれいにしたカーぺットだからもう少し長くきれいなままであって欲しかった(=期待)のに、こんなに早く汚れて悲しい(=がっかり)」というように。それを相手に伝えることも大事だと。なぜ怒るのか、を子供に伝えましょ、とのことだった。そのときは無理でも、一緒にお風呂に入っているときや、寝かしつけるときに、「ママが何であんなに怒ったかっていうとね」と子供に伝えてみてー、と。
こうして自分の感情をきちんと子供に伝えながら育てると、子供もそういうスキルを身につけて育ちます、だそうです。親は子供の鏡…。


■あぁ、そうだ。これもやらないと。
「自立」と紙に書いて部屋に貼っとこう。子育てのゴールは子供の「自立」。このゴールをこうして親が明確に意識すると、おのずと子供と向き合う姿勢、態度の意識しやすくなるし、たとえば「今こんなに怒ることは必要なことか」なんてことも気づけるようになる。


とまぁ、書き連ねるといっぱいだけど、あっという間の1時間45分。身にしみることだらけだったけど、返って今日教えてもらったテクニックは実践しやすそうだった。
やー、やろうやろう。…少しづつ。