やっぱりいい幼稚園だ

入園後、初のクラス会。母親たちが自由に使える部屋が幼稚園の中にあって、大体月一で母たちが集う。あいにくの天気だったけれど、ほとんどのママたちが参加していた。小さな下の子を連れた方が多いクラスで、どうやら他も?、ざっと見ても8人はチビちゃんが。狭いスペースが一段と賑やかだった。
簡単な自己紹介と連絡ごとが一通りすんだ頃、ちょうどミエ先生が顔を出してくださった。何か幼稚園生活で質問など、ありますか?の声にいくつかの質問が寄せられた。そしてその一つ一つに回答するミエ先生の言葉に金井幼稚園の教育理念というか、方針がすっきりきっちり詰まっていて、ブレがなくて、とっても気持ちよかった。
例えばある方が「暑くなった際、水筒に水を入れてもたせたいと思うけれど、幼稚園が水筒をNGにしているのはなぜですか?」と聞いたところ、先生は「逆に、なぜ必要と思いますか?」と尋ねられて、「バスに乗っている時間が長いので、暑くてぐったりしてしまうから」というお母さんに、幼稚園側がなぜ水筒をもたせることをしないか、どういう考えがあってのことかをすごく丁寧にお話ししてくださった。よどみなく語られた言葉を書くのは難しい! 
喉がからっからになったとき、自分で欲して水道からぐびぐび渇きを潤すのは当たり前のような光景だけど、ペットボトルや親が汲んでくれたコップの水しか飲んだことのない子供にとっては導かないとぴんと来ない行動になってしまっている、という。大げさな話かもしれないど、例えば震災で道路から吹き出る水道管の水しか飲めないときに、「このお水飲めない〜」感覚が生死にかかわる、とか。大人が用意したもの、与えられるものだけで過ごさないたくましさを育てたい、と。後は、飲料や菓子、食べ物をところかまわず携行して与える今の生活傾向で、なかなか育たない「場をわきまえる」価値観を感じて欲しい、とか。ぶっ倒れるまで我慢する、とかそういうことではなく、年齢に応じて水分摂取の声かけもするし、わざと先生が水道のお水からぐびぐびやる「演技」なんかを通して子供たちに学んでいって欲しいんです、と。もちろん先生たちは毎日子供たちのこと、よく見てますから、夢中になって遊んで水分取るのも忘れている子には熱中症になる前にちゃんと飲ませますよ、と。大丈夫、心配しないでくださいね、と。
あとは年少のときからのお友達をば狩り遊んで、今のクラスよりキリン組みさんがよかったな、と娘が言ってばかりですがどうしたもんでしょう、とか、園の中を奔走しまくって、集団行動にちゃんと娘がなじんでいくか心配、とかいろいろ出たけど、「よくあることですよ」とか言う簡単な返答ではなく、子供の気持ちや行動に沿った説明をくれて、その上でお母さんがちゃんと安心、納得できるよう話をしてくれる。
うーん、久々金井節に触れて、改めていい幼稚園に子供を預けているな、と心強く思った。
あと、印象に残ったのは先生が、子供たちの基礎体力とそこから湧いてくる活力みたいなものが年を追うごとにどんどん低くなっていってます、とおっしゃったこと。そうか…そうだよなー。
「大人の知恵を振り絞って、子供の言いなりではない、心と体を育てる毎日を目指したいですね」はい。