出国前夜

出国前夜です。

2日間に渡る船便・航空便・国内便の引っ越し作業も無事終えました。

両親や弟や、頼れる友人たちにたくさん助けていただいて、なんとか荷物をまとめました。飛ぶ鳥、あとを濁しまくりです。指定日に出せないゴミや処分しきれなかったものは、みんなの「いいよ、いいよ。やっておくよ」という言葉に甘えさせてもらいました。感謝してもしたりません。

 

シンガポールで暮らすためのビザ発給の知らせを2月3日に受け取りました。

コロナウイルスの最初の猛威が中国本土で吹き荒れ始めた頃です。

2月4日に船便の1便目を出し、2月6日のフライトでシンガポールへ向かいました。

目的は新居探し。10日のフライトで戻りましたが、往きも帰りもフライトは満席でした。

日に日にコロナウイルスについてのニュースが取り沙汰される時間が伸びていきます。

でも、帰国してからの心配事は、コロナではなく、第一希望の物件を無事契約までこぎつけられるかどうかでした。

 

2月19日あたり。新居を探しつつ、日本の家を賃貸に出す話をしたり。この時点で、タカちゃんはケイゴの卒業式には帰ってくるつもりでしました。でも、この数日あとにはコロナのせいで、東欧への出張がなくなったりしました。

 

新居の契約は大家さんがのんびりなのか、国民性なのか、一向に進まず。入居日は3月14日と決まったものの、先に契約を完了してくれ・・・という悶々とした日々を送ります。

最終的に大家さんがサインしたのは、入居の前前夜でした。おいおい。

 

2月27日あたりで、「卒業式、なくなるかも」なんて話をたかちゃんとした直後、政府から全国の小・中・高校に対する休校要請が出ました。

 

3月4日、シンガポール政府の入国者に対する緊迫した空気を感じて、タカちゃんと「引っ越しも何も全部放り出して、とにかくシンガポールに向けて出国してしまおうか????!!!」という話が出ました。

 

でも結局、ビザの発給許可がおりているのだから入国は叶うはず、という結論にいたり、予定通り3月25日の出国でいくことに決めました。

タカちゃんは日本に一時帰国することを断念し、フライトをキャンセルしました。

 

この間ずーーーっと粛々と断捨離しまくり。捨てるという作業はとても疲れる。

 

3月13日。出発の12日前です。日本が入国規制の対象になりました。

日本からの渡航者は、もれなく14日のSHN(Stay-Home Notice)自宅待機の対象になりました。タカちゃんと会社の方々に緊張が走ります。

私達が14日間のSHN状態にある間、タカちゃんはホテルに移ることになりました。一緒にいようとすると、彼もSHNの対象になってしまうので。(これはあとからそうではないことが判明。でも、一緒にいたら意味がないので、やはりホテルにステイします)

到着の翌日に配達してもらうつもりにしたいた船便の1便目も、受け取ることができなくなりました。(追記…日通さんが頑張ってくれたおかげ?で24日のうちに1便の荷物が新居に運び込まれました)

 

政府からSHNのコントロール下で必ず守らなければいけないことが説明されます。

・待機場所から一歩も外に出てはいけない。

・いかなる訪問者も受けてはならなず、接触者は最低限に抑えること。

・WhatsAppというチャット用のアプリをインストールし、これで政府、学校からの連絡にビデオ電話やSMSで1時間以内に応対すること。

・接近した人間(デリバリーを届けてもらう、とか)の記録をつけること。

・政府の要請に従って行動すること。

 

反則した場合は、罰金、国外退去、会社にも先2年間ビザの発給を取りやめるなど、厳しい罰則が課せられます。

 

大家さんのSHNに対する承諾書も、入国の際、必要となりました。

 

16日。9日前。ここで「やっぱり25日、フライト乗れないかも」となります。

搭乗するフライトの10日前にMOMにSHNの申請を行い、承認をもらわないといけない、というのです。

えー、出発まで10日切ってるし!!!

とにかく申請してみるしかないと会社も大急ぎで動いてくださいました。結果、申請したSHNは許可がおりました。多分ギリギリで。なんて綱渡りなんだ…。とにかく、行けるらしい。

 

WhatsAppをインストールしたり、SHNの許可証を印刷したり、準備も大詰めです。

 

そして、3月22日。「すべてをキャンセルして!!!」と3時頃タカちゃんから一報が入りました。その時わたしは、寝室のデスク周りや、パネルカーテンをママ友たちと、絶賛解体中。アタマ真っ白。

またしてもシンガポール政府から、今度は「すべての渡航に対して規制」が発表されました。

 

人事の方たちを巻き込んで大騒ぎだと思います。

こちらは日通にとりあえず電話。「すいません、明日キャンセルかも」…電話している本人も状況を不明確なのでもうなんだかよくわかない感じでした。

 

2月23日。政府機関に確認した結果、「入国を認める」とのこと。ちょっと泣きました。もうこれでシンガポール行って、その場で「帰れ」と言われたら、「了解でーす」と回れ右することになっても、多分動揺しない気がします。

 

そんなこんなで前日です。オンラインでチェックインも済ませました。

正確には後10時間くらいでフライトの時間です。

 

搭乗予定の便、調べたら4月2日から24日くらいまで運休が決まってました。ホームページで確認して泣きました。ハゲそう。

 

早く、無事シンガポールの新居に辿り着きたいです。今はもう、ただそれだけです。